こんにちは。
愛知県の江南市にあります「大城皮フ科クリニック」
院長の大城宏治です
私もついにユーチューバーとしてデビューします!
初回は当院で相談の多い「ワキガ」としました。
すでに撮影が終わり、スタッフがおしゃれに編集してくれています
(いつもイケメンに撮ってくれてありがとう(^^)
そこでお話した内容を、ここにもアップさせていただきますね。
これからも時間と体力の許す限り、皆様のお役に立つ動画を上げていきますね☆
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今回は、当院でもご相談の多い、ワキガのお悩みについてお話させていただきます。
「ワキガとはどういった病気なのか?」「日常生活でのワキガ対策」「ワキガの治療」の3つについて
それぞれ解説していますので、ご興味のあるものをご覧ください。
まずは「ワキガとはどういった病気なのか?」にいて、
患者様からの質問をQ&Aにまとめたので、お話させていただきたいと思います。
Q.ワキガって、そもそも病気なの?
わきがは、特に体に対して悪影響を及ぼすわけではないので
病気というよりは「体質」と言えると思います
欧米では、90%以上の方にワキガがあるとされるので
むしろワキガである人のほうが多く、あまり治療対象となることはありません。
しかし日本をふくめた北東アジアでは、有病率は10%と言われており
においが気になる方は治療を希望されることがあります。
Q.ワキガって遺伝するの?
ワキガには家族性があると言われています。
ご両親のどちらかにワキガがあると、お子様はワキガになりやすいです。
耳あかが湿っているという体質が、ワキガに関連していると言われており
これが両親にあると、半分の確率で子供に遺伝します。
そのうちの80%がワキガになると言われています。
耳あかが湿っている体質の人は日本人のだいたい16%程度と言われており
そのうちの80%がワキガになるので、計算すると日本人の約10%程度がワキガであると言われています。
Q.ワキガはなぜ起きるの?
脇の汗には2種類あります。
まず脇だけでなく、全身に分布するエクリン汗腺と、
脇や外陰部に多いアポクリン汗腺があり
わきにはエクリン汗腺とアポクリン汗腺の両方が分布しています。
このうち、エクリン汗腺が原因となるものが多汗症
アポクリン汗腺が原因となるものが腋臭症、ワキガです。
エクリン腺から出た汗は、あまりニオイのもとにはなりません。
アポクリン汗腺から出た汗も、汗自体には匂いはありません。
しかし皮膚の常在菌である、ブドウ球菌やコリネバクテリウムといった細菌が汗を分解することで
イソ吉草酸という物質を酸性し、この物質が匂いを発生します。
ですので、治療法としては、まず汗を出ないようにすることと
ニオイを作り出す皮膚の常在菌を減らすこと、この2つが必要となってきます。
Q.どんな特徴があるの?
ワキガの方は、先程もお話したように、耳あかが湿っているという体質を持っている方が多いです。
また、白いTシャツを着ると、脇の部分が黄色くなるということが起こる方がいらっしゃいます。
脇毛がおおく、また汗が多く出る腋窩多汗症を合併することが多いと報告されています。
Q.ワキガは何歳くらいから症状が出現するの?
第二次性徴が始まる10歳頃から発症してきます。
そして20歳ころにピークを迎えるとされています。
その後年令を重ねるごとに、徐々に改善していきます
ここからは「日常生活でのワキガ対策」についてお話させていただきます。
Q.ワキガは自然に治ることがあるのか?
前回の動画でもお話しましたが、ワキガというのは体質ですので
急に体質が変わることはなく、自然に治ることはありません。
ただワキガを発生するアポクリン腺は、40歳を超えると徐々に機能が落ちてくるので
ニオイは改善してくると言われています。
Q.セルフケアでできることはないの?
これは2つあります。
まずは①汗自体の量を減らすこと、そして
②細菌の増殖を減らすことです
前回の動画でもお話しましたが、汗自体には最初はニオイはありません。
皮膚の常在菌が分解することでニオイを発生しますので、この両方に対して対策をすることができます。
まずは汗を減らすことですが、市販の制汗剤がたくさんあります。
しかし持続時間が短く、もって1日程度かなと思います。
ですので毎日塗る必要があり、結構手間になります。
当院ではパースピレックスというものを取り扱っています。
こちらは最初の1週間は毎日塗っていくのですが、2週目以降は週に1から2回で済むと言われています。
成分は塩化アルミニウムで、これが汗腺の汗を出す管に作用して、汗を出にくくすると言われてます。
もう一つは細菌を減らす方法です。これは市販の、銀イオンを含むもので細菌の増殖を減らすことができます。
もうひとつ、当院ではセルニューのデオドラントクリームというものを取り扱っています。
こちらにはクロルヒドロキシアルミニウムを含んでおり、強い制汗作用があり、ニオイを抑えることができます。
また皮脂吸収パウダーを含んでおり、ベタつかず、さらさら感が長続きします。
こちらは当院でも購入できますし、サンプルのご用意もございますので、よろしければお試しください。
Q.日常生活で気をつけることについて教えてください。
動物性脂肪やコレステロールを多く摂取すると、ワキガが悪化すると言う報告があります。
ですので乳製品やタンパク質の多い赤身肉を多く摂取すると、ワキガが悪化する可能性があります。
こういった食材を取りすぎないことにはある程度効果があると思います。
また、ストレスが過度に掛かるとワキガが悪化すると言われており
そういった面でも注意していただければと思います。
そして、入浴や、洗浄することで皮膚を清潔に保つことは
皮膚の汗と細菌を減らすことになるので、一時的てはありますがニオイを軽減します。
そんな方におすすめしているのが、持田製薬さんが作っているコラージュフルフルの泡せっけんです。
こちらには殺菌成分が含まれているので
これで脇や陰部を洗っていると、細菌の増殖が抑えられ、匂いの発生を抑えることができます。
今回はワキガの日常生活での注意点についてお話してまいりました。
ただし、根本的な治療となりますと、皮膚科のクリニックでの治療が必要となります。
気になる方はお気軽にご来院いただければと思います。
ここからは、「ワキガの治療」ついてお話していきます。
Q.ワキガの治療法について教えて下さい
みなさんがワキガの治療でインターネットで検索すると、たくさんの治療が出てくると思います。
その中でもワキガの根本的な治療となりますと手術、ボトックス、
あとは当院で行っているニードル高周波治療、インフィニスエット等があると思います。
今回はそれぞれについて説明してまいります。
まずは手術ですが、「剪除法」という、
症状の強さによっては保険適応となるものがあります。
脇の一部を3から4センチ切開して、皮膚を反転し
裏側にあるアポクリン汗腺をハサミで直接取り除いていくという手術です。
直接取り除くという方法ですので、効果は9割程度にみられると言われています。
ただ、切開によってかならず傷が残ることと
体質によっては傷が肥厚したり、ケロイド化することで
ワキが上げにくくなったりする方もおられます。
あとは、術後1週間は、出血を防ぐために腕を動かすことができません。
ですので両方のわきを同時に手術することは、入院しないと難しいです。
ですので、適応には慎重になる必要があり、はじめから皆様におすすめすることはありません。
次に、脇の汗と言うとボトックスの注射と思われる方もおられると思います。
しかし、ワキガの原因となるアポクリン汗腺を抑えることは、実はボトックスではできません。
ただし、脇の汗の量を減らすことができるので、ニオイの発生を少し抑えることはできます。
効果が続くのは4から6ヶ月と言われているので、1年に2から3回の注射が必要となります。
最後に当院で行っているワキガ、多汗症の治療
「インフィニスエット」についてご紹介したいと思います。
インフィニスエットは、ニードル高周波という最新の技術を使い
ワキガを半永久的に減らしていくという画期的な治療法です。
麻酔クリームで麻酔したワキの皮膚に、すごく細い針を刺して
先端から高周波を出すことで、汗の腺を直接破壊していきます。
痛みは麻酔が効いているので、あまり問題にならない方が多いです。
また剪除法などの手術と違って、皮膚に傷が残らず
腕が上げられないようなこともありません。
またダウンタイムも施行部位の赤みが数日続く程度で
当日から普段どおりの生活を行っていただくことが可能です。
針は先端以外から高周波が出ることはないので
皮膚がやけどになってしまうリスクはかなり少ないです。
1ヶ月以上の間隔をあけて、2回行っていただきます。
より強い効果を求められる方は3回目を希望される方もいらっしゃいますが、
当院では100人に1人程度と少ないです。
大体2回の施術で、効果を実感される方が多いです。
ダウンタイムが少なく、また気軽に行うことができるニードル高周波のインフィニスエットがあるので
現在では剪除法をおすすめすることはほぼなくなっております。
施術をご希望の方は診察が必要ですので、お気軽にカウンセリングにいらしてください。
今回はワキガの実際の治療についてお話してまいりました。
なかなかデリケートなお悩みで、一人で悩まれている方も多いと思います。
ただ、治療法は格段に進歩しています。
気になる方はお気軽にご来院いただければと思います。