ニキビとは
そのニキビ、「一生モノの傷」にしてしまわないように
大城皮フ科クリニック 院長 大城 宏治
私が医師になった頃、日本はニキビ治療の「後進国」でした。アダパレン・過酸化ベンゾイルといった、最も重要な塗り薬が、世界の国々ではほとんど使えるのに、日本ではつい最近まで使えなかったのです。その状況を一変させ、日本への導入に尽力されたのが、東京 虎の門病院留学中にご指導をいただいた、林 伸和先生でした。先生が率先して国を動かし、日本のニキビ治療を世界の標準レベルに引き上げていただいたおかげで、現在、我々皮膚科医は当たり前のようにその薬を処方し、患者さまが世界水準の治療を手軽に受けられる状況になっています。そのことを皮膚科医は忘れず、常に新しい治療を患者さまに提供する義務があります。
「ニキビは青春のシンボル」として、治療するものと思っていない方が多くいらっしゃいます。しかしニキビを悪化させ、傷跡(瘢痕)が一度できてしまうと、一生消すことはできません。最も目につく顔面に醜い傷跡が多数できてしまうことは、見た目が気になる年代の方に大きな心理的負担となることは想像に難くありません。
今ではガイドラインに従った「普通の治療」を根気よく続ければ、痕になることはほとんどありません。痕にさえしなければいつかは治まります。3カ月程度正しい治療とスキンケアを続ければ、大きな効果を実感していただけると確信しています。
当院では治療法だけでなく、正しいスキンケアの方法や洗顔石鹸やニキビになりにくい化粧水の案内を行っております。今は10代から50代まで、幅広い年代の方がニキビに悩んでいらっしゃいます。治療の開始は早ければ早いほどよいです。正しい治療を継続できるお手伝いを、スタッフ一同後押しさせていただきます。
ニキビは治療が必要な疾患です
ニキビは毛穴に皮脂がつまってアクネ菌が増殖し、毛穴の中で炎症を起こしている状態で、治療が必要な疾患です。ニキビの出現には、性ホルモン、皮脂分泌の増加、毛穴のつまり、アクネ菌の増殖が関係しています。
悪化因子としては女性では月経前、ファンデーションなどの毛穴を埋める化粧品、男女とも睡眠不足、精神的ストレス、間食、気になって皮疹に触ること、毛髪で皮膚がこすれる髪型などが挙げられます。
また、ニキビには【白ニキビ】【黒ニキビ】【赤ニキビ】【ニキビ痕】とさまざまな病態が挙げられます。
結果を出すニキビの治療を。薬の塗り方やスキンケアで症状は全く違ってしまいます
近年、さまざまなニキビの内服薬・外用薬が開発されており、当院では新薬も積極的に取り入れながら、患者さまの症状に適した治療を提供しています。また、外用薬の使い方や塗り方、日常生活での注意点などもパンフレットを使用しながら丁寧に指導いたします。
ニキビ治療の効果を実感するまでには3カ月以上治療を継続する必要があると言われています。また、症状が改善しても、生活習慣やホルモンバランスの乱れにより、またすぐにニキビができたり悪化してしまったりする場合もありますので注意が必要です。また、自由診療による治療も行っており、「他の病院で、これ以上の改善は難しいと言われた」とご来院される患者さまも多くいらっしゃいます。
白ニキビ・黒ニキビ(めんぽう)
ニキビも悩みも小さなうちに!「初期段階での治療」が大切です
- 症状
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性ホルモンの分泌が思春期に活性化したり、ストレスなどが原因で過剰になったりすると、毛穴の奥の皮脂腺から皮脂が多く分泌されます。女性は、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスのくずれもニキビの原因となります。また、一定周期ごとに生まれ変わる肌細胞のターンオーバー機能が乱れると、毛穴の出口の角層がはがれず、出口をふさいでしまいます。こうした理由で毛穴の中に皮脂がたまっている状態を「白ニキビ」「黒ニキビ(めんぽう)」と呼びます。
- 治療
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- 白ニキビ
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- 外用薬の処方
- 黒ニキビ
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- 漢方薬やビタミン剤の処方
- 毛穴のつまりの除去
- 外用薬の塗り方や日常の生活についての指導
自費診療
- ノンコメドジェニックの基礎化粧品のご紹介
- ピーリング
- フェイシャルレーザーによる肌質の改善
赤ニキビ
赤ニキビは分かれ道。悪化させてしまうと「ニキビ痕」として肌に刻みこまれてしまいます
- 症状
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アクネ菌は皮脂を好み、酸素を嫌うため、発育に好都合な「面皰(めんぽう)」の中で増殖します。毛穴の中で過剰にアクネ菌が増殖して炎症すると、赤く盛り上がった状態(赤ニキビ)になります。悪化して化膿(かのう)すると、毛穴の奥にある毛包(もうほう)の壁が壊され、炎症を起こすさまざまな物質が周囲に流れ出ます。化膿したニキビがどんどん増えて悪化すると、炎症が広範囲に広がったり、膿んでしまったり、硬く盛り上がってしまいます。
- 治療
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抗生剤、漢方薬、ビタミン剤の処方、抗生剤(外用薬)の処方
自費診療
- ピーリング
- フェイシャルレーザーによる肌質の改善
ニキビ痕
治療の難しいニキビ痕。でも、1人で悩まないで。様々な治療でニキビ痕の改善をサポートします
- 症状
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化膿が進むと、毛穴のまわりの組織が壊され、元に戻らず「ニキビ跡」として残ることがあります。クレーターのように凹んだり、皮膚の表面が盛り上がった凸状などさまざまですが、皮膚が凸凹した瘢痕(はんこん)となってしまうと元に戻すのは難しくなります。ニキビ痕を残さないためにも、早期のニキビ治療が重要です。
- 治療
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ニキビ痕を改善させる内服薬の処方
自費診療
- フラクショナルレーザーによる瘢痕(はんこん)の改善
- ピーリング
- インフィニハイブリッド
今まで諦めていたニキビ痕に、本気で取り組みます
レーザーを瞬間的に照射して、0.12mmの微細な穴をあえて多数開けます。穴が開いた部分はいったん皮膚が無くなりますが、肌には自ら治そうとする力があるので、自然な再生を促進します。ひどいニキビ跡や、目立つ毛穴の解消に高い効果があります。
従来のフラクショナルレーザーと比較しても非常に効果が高いので、1回の施術でも効果を実感できます。3回程度の施行をおすすめしています。
ニキビのスキンケア
NOV A アクネソープ
ニキビの原因であるアクネ菌は皮脂を栄養源としています。
余分な皮脂をすっきり落としてくれる洗顔料選びはニキビケアの重要なポイントです。
皮膚科専門医である院長が厳選したニキビ肌用洗顔料をぜひお試しください。
当院スタッフでも、愛用者の多い商品です。
トレリアンモイスチャーローション(敏感肌化粧水)、DRX ADパーフェクトバリア
当院では、「ノンコメドジェニック」の表記のある基礎化粧品・化粧品を多数取り扱っております。
「コメド」とは、毛穴に皮脂や角質などが詰まって小さく膨らんだ状態=白ニキビの状態をいいます。つまり「ノンコメドジェニック」とは「ニキビになりにくい」といった意味になります。
一般的な化粧品の油性成分は、ニキビの原因菌でもあるアクネ菌の栄養源(えさ)となる成分が含まれていることがあります。
ノンコメドジェニック処方の化粧品にはそういったニキビの栄養源となる成分が含まれていないことからニキビになりにくくなると考えられます。
ニキビ肌を改善する「ピーリング治療」・「フェイシャルレーザー治療」、ニキビ跡を改善する「フラクショナルレーザー治療」といった専門治療もリーズナブル価格で受けることが可能で、ご希望に応じた治療をご提案いたします。また、ニキビ治療の半分はスキンケアになっています。ニキビになりにくい基礎化粧品(ノンコメドジェニック)のサンプルもご用意し、販売も行っています。