皮膚外科・形成外科で重要なのは診断力と技術力
優れた診断機器のダーモスコピー、皮膚エコーなどで正しく診断し
できるだけ跡が残りにくい治療を行います。
大城皮フ科クリニック 院長 大城 宏治
私は皮膚科医になってから、基幹病院で皮膚腫瘍(診断・手術)を専門に手術を行っていました。 また日本の皮膚外科の総本山である東京虎の門病院に国内留学させていただき、皮膚外科の父といわれる大原國章先生や岸晶子先生など、素晴らしい先生方のもとで学ぶことができました。さらに、やけど治療で全国的に有名な中京病院(名古屋市)で4年間、重症のやけどの症例を多く経験させていただいたことは、私の財産となっております。こうしたノウハウの積み重ねによって、従来の軟膏治療だけでなく、湿潤療法や創傷被覆剤、ラップ療法なども積極的に使用し、できるだけ跡が残りにくい治療を行います。
皮膚外科領域では、手術の技術力はもちろん、診断力も重要とされています。 黒子(ほくろに見えるもの)も、ほとんど良性ですが、まれに悪性の場合もあります。 当院では、優れた診断機器であるダーモスコピーなどを駆使し、まず良性であるかどうか適切に診断することを最優先とし、その後できるだけ傷を小さく、目立たなくなるように施術します。また、皮膚エコーによって、深さや血流の有無も詳細に確認し、安全に手術を行います。
やけど・傷跡の湿潤療法(モイストケア)
人には、けがや病気を自ら治そうとする力「自己治癒能力」があります。これを最大限に生かす治療法が「湿潤療法」です。
以前は「消毒後に傷を乾かす」ことが当たり前でした。しかし、傷を毎日消毒したり、傷がジクジクするので、乾燥させやすいガーゼを当てる、という一見当たり前の処置が、実は傷を治すどころか「自己治癒能力」を妨げることがわかってきました(例外はあります)。きれいに治すためには、自己治癒能力を邪魔しないことが重要で、そのためには「傷を乾かさない」ことが大切です。
けがをすると傷口がジクジクしてきて化膿したと思いがちですが、実はこのジクジクした浸出液に、傷を治すために必要な成長因子が含まれています。成長因子を含んだ浸出液に覆われた傷口は、傷が早くきれいに治ります。当院でも極力ガーゼ以外の創傷被覆材で覆って、傷が乾燥しない湿潤環境を保ちます。
主な病気と治療について
その他
- 皮膚がん
- 瘢痕(はんこん)
- ケロイド
- やけど
粉瘤(アテローム)
「くりぬき法」で美しく治すことを常に目指します
- 治療
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皮膚のできものの中で最も多く、ありふれた腫瘍です。 従来は葉っぱの形に切開し、摘出するのが一般的でしたが、その場合、粉瘤の大きさの2~3倍程度の傷跡になってしまいます。そこで最近は、くりぬき法が主流です。おおむね3cm程度までの粉瘤であれば、4mmの穴をあけて摘出できます。傷跡は体質にもよりますが、多くの方がニキビ跡程度で済みます。
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治療前
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治療後
巻き爪・陥入爪
痛いからといって、深く切り込んでいませんか?
- 治療
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以前は巻き爪に対して爪を根元から取り除いて生えなくする手術(フェノール法)を選択することが多かったのですが、現在は安易に手術をせず、「切らない治療」でほとんどの方が改善するようになりました。巻き爪に対してはワイヤー法、切り込んでしまった陥入爪にはガター法を中心に、再発が少なく仕上がりもきれいな治療を提供しています。
巻き爪(ワイヤー法)
ワイヤー法は、特殊な合金でできた非常に弾力のある形状記憶合金のワイヤーを使った巻き爪矯正法です。
伸びた爪に穴を開け、そこからワイヤーを通して接着剤や特殊な樹脂で固定します。
伸びている爪の部分に穴をあけるので、比較的痛みを抑えて処置が可能です。
数ヶ月に1度、ワイヤーを交換する必要があります。
- 未承認医薬品等:
本治療に用いる材料等は、医薬品医療機関等法上の承認を得ていないため、自由診療となります - 入手経路:国内販売代理店経由で入手
- 国内の承認医薬品等の有無:
国内においては承認されている医療機器はありません - 諸外国における安全性等に係る情報:
現在重大なリスクや副反応は報告されておりません
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治療前
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治療直後
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3カ月後
【副作用】施行時の痛み、爪の割れ
【料金】施術代:6,600円 ワイヤー代:4,400円
陥入爪(ガター法)
ガター法は、深爪をしてしまって皮膚に爪が食い込んで膿んでしまった場合に選択する陥入爪の治療法です。
細くて柔らかい医療用のチューブなどを縦に切り込こんで、爪の端に差し込み、接着剤や糸などで固定します。
食い込んでいる爪をチューブで包み込み、皮膚を保護して炎症を治めます。
爪が適切な長さになり、爪周囲の炎症が改善した時点でチューブを外します。
- 未承認医薬品等:
本治療に用いる材料等は、医薬品医療機関等法上の承認を得ていないため、自由診療となります - 入手経路:国内販売代理店経由で入手
- 国内の承認医薬品等の有無:
国内においては承認されている医療機器はありません - 諸外国における安全性等に係る情報:
現在重大なリスクや副反応は報告されておりません
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治療前
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治療直後
【副作用】施行時の痛み、出血、爪の割れ、チューブの抜け
【料金】6,600円~11,000円
ほくろ・できもの
そのほくろ本当に「ほくろ」ですか?
「ほくろが悪性か不安。取るならキレイに仕上げて欲しい。」そんな気持ちに寄り添います。
ほくろやできものは、手術の前に悪性かどうか判断することが非常に重要です。悪性を良性として除去すると、数年後、転移した腫瘍として手遅れの状態で発見されることもあります。ダーモスコピーを駆使してまず確実に診断し、その後、美しい仕上がりを目指し除去します。ほくろやできもののサイズや部位から手術、CO2レーザー治療のどちらかを選択します。
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手術による
治療 -
ほくろやできものの形に合わせ皮膚を切り取り、切り取った部分の周りの皮膚を縫い合わせます。手術は技術と経験の差が出やすく、場合によっては傷跡がもとのほくろやできものより目立ってしまうケースもあります。当院では、手術の傷跡が最大限に目立たないように治療することをモットーとしています。患者さまの負担が少なく「きれいな仕上がり」を大切にしています。
手術による症例
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手術前
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手術直後
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抜糸1週間後
さらに半年程度のテーピングを行い、傷口をより目立たなくします。
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CO2レーザー
による治療 -
CO2レーザーを取りたいターゲットに照射し、皮膚組織を蒸散させ除去します。傷をできるだけ小さく抑えられるように、治った後に目立つ傷跡や凹みを残さないように、細かく丁寧に蒸散していきます。
CO2レーザーによる症例
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施術前
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施術直後
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施術4カ月後
【副作用】かさぶた、色素沈着、皮膚の凹凸
【料金】9,900円
手術の流れ
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手術前日
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手術前に採血します。
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手術についてオリエンテーションを行います。
手術後の生活上の注意事項をパンフレットを用いてご説明いたします。
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手術当日
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予約票を持ってご来院ください。
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お手洗いをお済ませいただいたら、スタッフが血圧・体温を測定します。
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血圧や体温に問題がなければ、手術ベッドへご案内します。
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手術
患者さまが不安なく手術を受けられるよう医師、看護師が声をかけながら行います。
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手術後(当日)
翌日以降の生活上の注意事項や受診のタイミングについてパンフレットを用いてご説明いたします。
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治療設備について
ダーモスコピー検査に使用する拡大鏡
皮膚の腫瘍の診断に有効な「ダーモスコピー」
主に皮膚のほくろ、できものが良性か悪性かの判断に使用します。この検査機器が導入されるまで、ほくろが良性か悪性か鑑別することは非常に難しかったのですが、特に手足の症状に関しては、99%の精度で鑑別できる画期的な検査機器です。皮膚のできもの、いぼ(尋常性疣贅)、疥癬、赤あざ、湿疹などの診断にも使用することがあります。
患部に光を当て、特殊なフィルターを通して診るだけなので、特に痛みなどはありません。
皮膚エコー
皮膚のできものをより正確に診断
当院では痛みがまったくなく、皮膚のできものをより正確に診断できる皮膚エコーを導入しています。正確な診断はもちろん、できものの深さ、血流の有無を瞬時に確認できるため、手術も安全に行うことができます。
ほくろ・できもの治療に「CO2レーザー」
正常な皮膚へのダメージを最小限に抑えて治療できます
CO2レーザーを取りたいターゲットに照射すると、組織内の水分に吸収されて熱を生じ、一瞬でできものが蒸散されます。
当院ではCO2レーザーを使用するため、周囲の組織への熱による損傷がより少なくできます。
一度薄い傷にして、そこから自己治癒力を使って治すので、傷跡が目立ちにくい施術が可能となります。