大城皮フ科クリニックブログ

クリニックによって、異なる「いぼ治療」

 

身近な皮膚の病気「いぼ(尋常性疣贅:じんじょうせいゆうぜい)」

当院にもたくさんの患者様が毎日のように来院されています。

しかし、クリニックによって、治療方法は様々です。

今回は、いぼの原因や日頃注意するポイント、当院の治療方法についてお話させて頂きます。

【いぼ(尋常性疣贅)とは?】
皮膚の一部が盛り上がった小さな「できもの」です。最も多くみられるのは、手や足の指 です。
うおの目やタコに似ていますが、痛みなどの自覚症状はほとんどありません 。

 

【原因】

「ヒトパピローマウイルス」というウイルス感染で、皮膚の小さなキズから感染し、いぼをつくります 。
ありふれた病気のため、どこでうつったか特定するのは、困難です。
足のいぼを触っていて、指にうつるなど、自分の体の中でも感染します。
皮膚が乾燥し、皮膚のバリア機能が低下していると、感染しやすい状態にあるため、特に注意が必要です。

 

【当院でのいぼ治療】

◎液体窒素を用いた冷凍凝固療法

-196℃の液体窒素を用いて感染細胞を凍結させ、壊死、脱落させる治療法です。

痛みのある治療ではありますが、尋常性疣贅診療ガイドラインでは、推奨度Aランク(行うよう強く勧められる)となっており、効果が高いとされ、一般的な皮膚科のクリニックでよく行われる治療方法です。

液体窒素を綿球や綿棒に染み込ませて、イボに当てる「綿球法」と、特殊な機器を使い、直接液体窒素を吹きかける「スプレー法」があります。

当院では「クライオプロ」という機器を使用して「スプレー法」で治療を行っております。

通常の綿棒による治療に比べて、痛みは少なく治療効果も高いとされています。

◎漢方薬(ヨクイニン)の内服

液体窒素治療法に対して痛みのないいぼ治療としてよく知られているのが、ヨクイニン内服療法です。

尋常性疣贅診療ガイドラインでは、推奨度はBランクで(行うよう勧められる)です。

前述の液体窒凍結素治療法よりは治療効果が下がるとはいえ、無痛で治療をできるため、お子様におすすめです。

液体窒素と併用して行う場合が多い治療方法です。

◎ぬり薬(サリチル酸ワセリン)

皮膚の角質を柔らかくする作用があるため、昔からイボコロリ、ウオノメコロリとして用いられてきましたが、いぼ治療で活躍することはあまりありませんでした。
しかし、2019年の尋常性疣贅診療ガイドラインで、サリチル酸が、推奨度Aランク(行うよう強く勧められる)を獲得しました。

当院でも、ガイドラインに沿って、サリチル酸ワセリンを使っての治療(液体窒素と併用)を行い、高い効果を得ています。

◎レーザー治療(自費治療)

尋常性疣贅はウイルス性の疾患であるため、広がりやすく(成長しやすく)、治りにくい場合もあります

最近レーザー治療が行われるようになり良好な治療成績を得ています。

尋常性疣贅診療ガイドラインでは、推奨度はBランク(行うよう勧められる)です。

レーザーを、血管を流れる血液の色素に反応させ、いぼの栄養血管を選択的に破壊するという方法です。

大きく成長してしまったいぼ、治りにくいいぼの場合、液体窒素との併用で高い効果を発揮します。

 

【生活上の注意事項】
◎いぼを触らない
触った指にウイルスが感染し、いぼが増えることがあります 。

◎いぼを自分で削らない
削ることによって、ウイルスが広がり、増えることがあります。

◎根気強く治療する
どの治療法でも1回で完治することは少なく、複数回の治療が必要です。
定期的に受診し、治療を行うことで症状が改善していきます。

 

同じ「皮膚科」でも行っている治療は様々です。

当院では、常に新しい情報にアンテナをはり、最新で効果の高い治療を患者様に提供できるよう努めております。

「これっていぼ?」と思い当たる症状のある患者様は、早めの受診をお勧めします。

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