掌蹠膿疱症について
- 2020年03月30日
- カテゴリー:皮膚の病気
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは、ウミが溜まった膿疱と呼ばれる皮疹が手のひら(手掌)や足の裏(足蹠)に数多くみられる病気です。
膿疱とともに赤い斑点(紅斑)やカサカサしたふけのようなものも現れます。
風邪や扁桃炎などをきっかけに膿疱が出てくることがあります。
【症状】
・小水疱(みずぶくれ)
・小膿疱(うみの溜まった水ぶくれ)
・赤い斑点
・かゆみ
・爪の変形・濁り
【症状の出る場所】
・手のひら
・足の裏
・その他、すね、肘、膝、お尻など
【原因】
原因が明確に判明しているわけではありませんが、原因として推定されているものを以下に挙げさせて頂きます。
〇慢性病巣感染
掌蹠膿疱症の約3割の方に病巣感染が存在するといわれています。
具体的には、扁桃腺炎、むし歯、歯周病、副鼻腔炎などの病巣感染が原因になっていることがあります。
病巣感染に対する体の免疫反応が、アレルギーを引き起こし、その結果として、掌蹠膿疱症を発症させてしまう可能性が考えられています。
〇金属アレルギー
掌蹠膿疱症が発症する原因として、金属アレルギー(歯の詰め物など)が原因となることもあるとされています。
〇喫煙
患者様の多くが喫煙者であることから、喫煙が掌蹠膿疱症を増悪させる要因に繋がっているのではないかと考えられています。
【治療】
ステロイド軟膏、活性型ビタミンD3外用薬などの塗布による外用薬治療
抗アレルギー薬、レチノイド、免疫抑制剤などの服用による内服治療
光線療法(当院では、308エキシマーシステムを採用)
などを行います。
並行して、病巣感染の治療(扁桃摘出術、禁煙、むし歯、歯周病、副鼻腔炎の治療など)を行うことも大切です。
【紫外線療法:308エキシマーシステムについて】
紫外線療法とは、紫外線の「免疫の働きを調整する作用」を利用した治療方法で、紫外線を発生させるランプを使用し、症状のある皮膚に直接照射する方法です。
「308エキシマーシステム」は紫外線の中でも308nm(ナノメートル ※10億分の1メートル)の波長のみを照射する最新の紫外線治療器です。
308nmの波長は従来の紫外線治療器が採用している波長よりも治療効果が高く体への影響が少ない紫外線のひとつです。
照射時に痛みはなく、数秒程度で照射できるため、患者様からも従来の紫外線療法よりも時間も早く、手軽にできると好評です。
当院では、患者様の症状に合わせ、治療を選択・組み合わせております。
皮膚科専門医だからこそできる「正しい診断」、「適切な治療」をご提供できるよう努めております。